接道義務

道路との接道状況も不動産を購入する上では非常に大切な要素になってきます。

建築基準法の接道義務

建築基準法では建築物の敷地は(幅員4m以上の)道路に2m以上接していなければならないと定められており、これを満たさない土地には建物を建ててはいけません。その理由としては簡単に申し上げると交通や安全の面を考慮したもので、火災等の場合に緊急車両が入れないというのも一つの理由です。

建築基準法でいう道路とは

基本的には幅員4m以上のものと定義されていますが、幅員4m未満であっても特定行政庁が指定したものなど道路の中心線から水平距離2mの線を境界線として建築が可能となります。セットバックとは幅員4m未満の道路に接した土地に建築するために、道路の中心から2mのところまで下がることを言います。

再建築不可物件

上述の接道義務を満たさず再建築不可ともなると銀行の融資を受けるのが難しいです。接道していない物件は流通性が低いので銀行も担保として押さえても、いざ抵当権を実行して物件を売ろうとした時に買う人がなかなか見つかりません。ですから、不動産を購入する際は接道状況についてもしっかりと確認してください。

私道には注意

接している道路が国道、都府県道、市区町村道であれば全く問題ありません。しかし、個人または法人が土地の権利を所有している場合は、少し変わってきます。当然、これは私道ですからアスファルト舗装の修理や清掃、維持管理に負担(私道負担)が発生します。また、土地の売買や下水の整備等を行う際に権利関係でトラブルになる可能性もありますので注意が必要です。

敷金と礼金

少し前までは敷金2ヶ月、礼金2ヶ月、更新料1ヶ月が当たり前という風潮でした。
しかし賃借人はこれ以外にも初期費用として前払家賃、引越し費用、仲介手数料、火災保険料等がかかってきますので、なんだかんだで賃料の数ヶ月分かかってきます。
当然、初期費用が安い方が賃借人にとっては魅力的です。

敷金、礼金については不動産仲介会社の言いなりにならずに、賃貸がなかなか決まらなければ、礼金をゼロにしてみたり、フリーレントを10日つけてみたりするのも空室を回避するための有効な募集手段になります。
最近は「敷金0、礼金0」という物件も珍しくありません。とにかく、賃貸が決まらなければ事業は成り立ちませんので。

敷金とは

敷金は退去時の現状回復だったり、家賃滞納時の補てんなど、有事の際の保険として事前に賃借人からお金を預かっておくものです。 何もなければ退去時に返金しなくてはならないので口座を分けておくなど管理には注意が必要です。

礼金とは

礼金には法的な根拠は全くありません。昔からの慣習です。「貸してくれてありがとう」というお金なのですが、実際問題、礼金2ヶ月は、貸主が不動産会社に払う仲介手数料分と大家が自分の懐に入れる分なのです。

礼金は日本特有の慣習ですから、外国人の方にはあまり理解されにくいです。
外国人の方で敷金1ヶ月、礼金1ヶ月で募集をしていると、敷金2ヶ月で礼金0でという交渉をされることがあります。海外ではそのような慣習がないのでどうしても納得できなかったんでしょう。

結局はサービス業

当然、「良質なものが安い」のが消費者にとっては一番の魅力です。
不動産賃貸業も全く例外がないです。サービス業ですし、安いに越したことはありません。

賃貸管理会社との付き合い方

不動産を取得した後の賃貸管理については賃貸管理会社に委託するのがほとんどです。当然委託すると管理料として費用が発生しますから、自分で賃借人の募集をして、集金もして、滞納があったら取り立てもして、クレームにも対応するなんてことも当然可能ですが、副業として不動産投資を行っているサラリーマン大家さんには自分で対応するのはほぼ不可能でしょう。

まずは大家さんの仕事について確認しましょう。

大家さんの仕事一覧

一言に賃貸管理業務といってもやることはたくさんあります。

入居者募集業務
  • 入居者の募集
  • 入居者の審査
  • 賃貸借契約書作成
  • 物件引渡・現状確認
入居者管理業務
  • 家賃の集金
  • 家賃催促
  • 更新契約
  • 入居者・近隣からのクレーム処理
  • 契約違反に対する処理
  • 解約時の立合いと精算
建物メンテナンス業務
  • 解約建物メンテナンス手配・管理
  • 共用部分清掃(一棟の場合)

このように大家さんにはたくさんの仕事があります。これを副業として行うには時間がかかりますので管理会社に委託する人がほとんどである所以です。

さてそれでは、数ある賃貸管理会社の中からどのような会社に委託すればよいのでしょうか?

良い管理会社とダメな管理会社の見分け方

投資家にとって求めている管理会社は、端的に言うと「サービスの質が良く値段が安いこと」です。それではここでいうサービスとは何か。

賃貸をすぐに決めてくれる

これは最大の魅力ですが、物件に瑕疵がない限り賃料を相場よりも下げればどんな営業担当でもすぐに決めることができます。これを除けば、空室期間が短くなるということですので賃料が早期に確保できます。

最近はインターネットからの問合わせが多いので、インターネットに強い業者に依頼するのも確率論ですが有効かと思います。あとは、営業担当の態度もしっかりとチェックしておきましょう。あなたに対する態度と同じように、お客さんに接しますので。

マメな報告と提案力

現状をマメに報告してくれて、現場の空気感やお客さんの物件に対する印象を教えてもらい対策を提案してくれる営業担当は空室の期間をきっと短くすることでしょう。

やはり会社もそうですが、結局は人が重要ということですね。

貸しにくい物件

不動産は「1に立地、2に立地、3、4がなくて5に立地」といわれるくらい立地が大切です。立地をクリアして初めて共用部分や専有部分に着目して物件を見ていく必要がでてきます。以下に貸しにくい物件の条件を列記します。購入検討している物件に思い当たる節があれば、金額の妥当性や物件の再検討を考えてもいいかもしれません。ちなみに100%完璧な物件は存在しませんので、どこまでなら妥協できるか等、あなたの感性で物件を感じていくことが不動産投資の面白さであると思います。

貸しにくい物件の特徴

【立地・環境】
  • 駅からの距離が遠い(12分以上)
  • 駅までの道のりが暗い(女性は特に嫌がります)
  • 生活インフラが少ない(スーパー、病院、クリーニング等)
  • 幹線道路沿いにあり、騒音や排気ガスが激しい
  • 高い建物が建っており、日当たりが乏しい
  • 各駅停車しか止まらない
  • 周辺に風評問題のある施設等や団体事務所がある
【建物全体・共用部分】
  • 清掃が行き届いていない
  • 修繕がされていない
  • 集合ポスト近辺にビラが散乱している
  • 駐輪場が散乱している
  • 臭気がある
  • エレベーター等に落書きがある
  • 建物にクラック(ひび)がある
  • 洗濯物が外に干せない
【専有部分】
  • 洗濯機置き場が室外にある
  • コンロが一口しかない
  • 梁(はり)が多く圧迫感がある
  • 専有面積の割に狭く感じる
  • 収納が少なく、実際に生活したら予想以上に狭くなる
  • 水回りの整備状況
  • 3点ユニットバス
  • トイレが和式
  • 全体的に清潔感がない
  • 携帯電話が繋がりにくい
  • インターネットが使えない
  • 間取りがDK

以上のことは最低限のチェック項目です。該当しないことをチェックしてください。1つ、2つくらいは該当していても問題ない物件はたくさんあります。あとは自分の肌で感じてみて自分なら住みたいと思うかどうかに尽きると思います。

東京ルールとは

東京では、平成16年10月1日から「東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例」通称「東京ルール」が施行されています。 これは東京都内の居住用賃貸住宅についてのルールを東京都が条例の形で決めたものです。 この条例によって宅建業者は入居中だけではなく退去時の修理や原状回復に関する貸主と借主の負担の考え方を賃貸借契約の際に借主にきちんと説明を負うことになりました。

以前からある国土交通省の「原状回復に関するガイドライン」の内容を借主にきちんと伝えようという趣旨です。 従って、借主の無知に付け込んで法外な原状回復費用をふっかける等ということはもうおきないでしょう。 よほどのことがない限り、「敷金は全額返還」するものと思っていた方がいいです。

具体的な条文

費用負担の一般原則について

(1)経年変化及び通常の使用による住宅の損耗等の復旧については、賃貸人の費用負担で行い、賃借人はその費用を負担しないとされています。
(2)賃借人の故意・過失や通常の使用方法に反する使用など賃借人の責めに帰すべき事由による住宅の損耗等があれば、賃借人は、その復旧費用を負担するとされています。
(例)飼育ペットによる柱等のキズ、引越作業で生じたひっかきキズ、エアコンなどから水漏れし、その後放置したために生じた壁・床の腐食

例外としての特約について

賃貸人と賃借人は、両者の合意により、退去時における住宅の損耗等の復旧について、上記1の一般原則とは異なる特約を定めることができるとされています。ただし、特約はすべて認められる訳ではなく、内容によっては無効とされることがあります。

<参考>判例等によれば、賃借人に通常の原状回復義務を超えた義務を課す特約が有効となるためには、次の3つの要件が必要であるとされています。①特約の必要性に加え暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること、②賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること、③賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること。