賃貸併用住宅の賃貸管理

賃貸併用住宅の賃貸管理について纏めます。

賃貸併用住宅の建築中はほとんど出番がありません。進捗状況を施工会社に定期的に確認しながら完成を待ちます。その間に完成終の物件の入居者募集など賃貸管理について決める必要があります。

サラリーマン大家さんの場合、自分で賃貸管理を行うのは難しいでしょうから賃貸管理業者に委託するのが通常です。

賃貸管理業者の選別

賃貸管理業者は驚くほどたくさんあります。同じ物件でも賃貸管理業者によって設定家賃は全く異なりますので、なるべく多くの賃貸管理業者から見積もりをとることを強くお勧めします。

実際に複数の賃貸管理業者から取得した見積もりでは一番価格の高い設定家賃と一番価格の低い設定家賃では1万円超の開きがありました。賃貸管理業者にも入居付けが得意なエリアと不得意なエリアがあるようです。

当然ですが、一番価格の高い設定家賃を提示してきた賃貸管理業者に管理をお願いすることをお勧めします。

賃貸管理業者を決めた後は、賃貸管理契約の内容を決めていきます。

賃貸管理契約の締結

賃貸管理契約は一般的な通常管理契約と一括借上契約の2種類があります。

通常管理契約は賃料収入のだいたい5%を管理料として、入居者の募集、賃料の集金、入居者の問い合わせ対応など一通りの管理業務を委託します。通常管理契約であれば入居者がいなければ賃料は当然入ってきません。

一括借上契約はサブリース契約ともいいますが、文字通り賃貸管理業者に一括して借上げてもらいます。だいたい見積り家賃から10%安い賃料で賃貸管理業者に物件を丸ごと貸します。その間の物件の管理は全て賃貸管理業者が行い、入居者がいてもいなくても毎月一定の賃料が入ってきます。

2つの契約を比較すると管理料の負担は通常管理契約の方が安くすみますが、一括借上の方が賃料収入は安定しています。ただし対象の物件や、賃貸管理業者によっては一括借上はできないケースもあります。

対象の物件が立地もよく賃貸需要の強いエリアで入居率95%以上が確実であれば一括借上契約にせずとも毎月安定した賃料収入が得られます。満室経営が続けられれば一括借上契約よりも通常管理契約の方が収入は多くなります。

どちらの契約も一長一短ですので自分の物件にあった契約がどちらかを考えてから契約締結してください。

賃貸併用住宅の建築

賃貸併用住宅の建築について纏めます。
賃貸併用住宅の計画、土地探し、融資で土地が決まり資金も確保できている状態ですので、実際に賃貸併用住宅を建てていきます。

施工会社の決定

まずは賃貸併用住宅の建築を依頼する施工会社を明確にします。

見積りの段階でいくつかの施工会社のプランをもらっているはずなので、その中に気に入ったプランがあればそれを使いますし、なければ改善したいポイントを伝えて別のプランの作成を依頼します。一番気に入ったプランが決まったら、後で揉めたくないですからその施工会社が希望の納期、予算内での建築が本当に可能かもう一度確認しておきましょう。そこで問題ないことが確認できて信用できそうならその施工会社に決めればよいですが、回答が曖昧だったり信用できそうでなければそのプランで別の施工会社に相談するのも手です。実際に自分も住む住宅の建築を任せるのですから、プランだけでなく信用できるところを選びましょう。

詳細仕様の決定

施工会社が決定すると建築プランも決まりますので、契約後はすぐに詳細仕様のすり合わせに入っていきます。平日は仕事があると方がほとんどだと思いますので毎週末施工会社と壁紙やドア、床材などの詳細を決めていきます。キッチンやトイレなどは実物を見るためにメーカーのショールームなどにも足を運びます。おそらくこの時期が一番忙しいのではないかと思いますが、自分も住むわけですから真剣に選んでいるとあっという間に過ぎていきます。中には自分の希望どおりにならない部分も出てきますが、ここでこだわりすぎると納期に間に合わなくなるので気を付けてください。

この時に賃貸部分の詳細仕様も決めることになりますが、ここは少しこだわってください。例えば今の時代ウォシュレットは必須でしょうが、施工会社はコストを優先しますのでこだわらないと付かないこともあります。実際に自分が借りて住むことをイメージして借りてもらえる部屋にしていきましょう。

地盤調査から建築へ

施工会社が決まると契約して詳細の詰めに入りますが、それと並行して現地に古屋があれば解体を行い、地盤調査が実施されます。調査の結果問題がある場合は地盤補強工事が必要になります。これは調査しないと要否が分からないので通常見積りには含まれておらず、実施する場合は追加費用です。住所に沢などの水辺を連想するような文字が入っていると地盤が弱い可能性が高いそうです。

地盤補強が終わると地鎮祭を行い(最近は地鎮祭をやらない方も多いそうです。)建築工事が始まります。工事が始まるとあとはスケジュール管理と何か問題があったときの方針決定くらいでほとんどやることはないです。 特に問題がなければ職人さんに頑張ってもらうだけですので定期的に差し入れを持って現場を見に行ったりする程度です。

賃貸併用住宅の融資

賃貸併用住宅の融資について纏めます。
賃貸併用住宅の計画で、予算、住宅規模については決まっていて、賃貸併用住宅の土地探しで土地が決まっていますので、ここでは計画を実現するための資金を確保します。

建物の見積り

まずは探してきた土地に想定する規模の住宅を建築するための費用を明確にします。
この段階では施工会社を決める必要はないのでいくつかの会社に見積りを依頼して一番高いものを選べばよいです。

融資の審査

賃貸併用住宅の場合、1/2以上が住宅など一定の条件を満たすことで住宅ローンが使えます。金利リスク等を考えると住宅ローンを使ったほうがよいのは明らかです。

住宅ローンの申し込みのため銀行へ行き、建物、土地の総額と頭金を提示し、不足分の融資を申込みます。 住宅ローンの審査には、自分の収入および資産を証明する書類の提出が必要です。 住宅ローンは頭金をどれくらい入れるかにもよりますが、年収の7倍程度までであれば、だいたい借りられると思います。
また、銀行によって審査の結果も異なりますので、1つ目の銀行の審査がとおらなかったとしてもあきらめないでください。 中には希望額を下回る金額なら融資可能なところも出てくるかもしれません。 希望額の融資が受けられない場合は建物のプランを見直して総額を下げることも必要になってきます。

すでに不動産投資ローンなどを借り入れて区分マンション投資をしていたりすると住宅ローンは借りられない銀行が多いのでご注意ください。 そのままでは住宅ローンが借りられない場合、どうしても住宅ローンを借りたければ、まず区分マンションを売却して不動産投資ローンを完済することが必要となります。

土地の決済

融資が決まったら、借入と同時に土地の決済を行います。 手付金だけを払って融資特約付きで土地の購入契約を結んでいることがほとんどだと思いますので、このタイミングで残額を支払います。

賃貸併用住宅の土地探し

賃貸併用住宅の土地探しについて纏めます。
賃貸併用住宅の計画で予算、立地条件、住宅規模については決まっていますので、そこから土地探しのための条件を整理します。

土地の購入予算

まずは購入できる土地の価格を把握するため、土地購入予算を算出します。算出式は以下です。

  • 土地購入予算=全予算―住宅予算※

※住宅予算は必要な住宅規模を坪単位に換算して、そこに坪単価(木造なら80万~100万)を乗じます。

これで購入できる土地の価格がだいたい分かります。

土地の広さ、建蔽率、容積率

次に土地の広さですが、必要な住宅規模が建てられる必要がありますので、建蔽率と容積率を合わせてみることで、その土地が計画どおりの住宅規模が建てられるかどうかが分かります。
ただしこの時、土地によっては第一種低層住居専用地域などの用途制限だったり、全面道路の幅などによる高さ制限などの制限が付いていることがあるので注意が必要です。
初めての場合は、自分で見つけてきた土地に計画どおりの建物が建てられるかはプロに見てもらったほうがよいかと思います。

条件の優先順位

ここまでで整理した立地条件、価格、広さの条件を満たす土地があなたの計画に必要な土地となります。この時その条件の優先順位も整理しておくとよいです。

もし条件に100%合致した土地が見つかればそれに越したことはないのですが、おそらく大多数の方が条件に100%合致した土地というのは見つからないと思います。その場合は妥協して優先度の低い条件を外していきます。 1つか2つ条件を緩めると選択肢がかなり広がると思います。

現地視察

各種条件や価格で探した候補地の中で気になるものがあれば必ず現地を見に行きましょう。今の家が残っていて土地の広さはあまり確認できないかもしれませんが、賃貸併用住宅の場合は自分も住むわけですから、その周辺の様子(騒音や日照状況など)を知っておくことはとても重要です。最終的に現地視察した中から最も気に入った土地に決定します。

土地の売買契約

購入する土地が決まったら売買契約を締結します。 この時、土地の値段を少しでも下げるために指値といって「○○円なら買います」と売主に伝え価格交渉を試みてみることを勧めます。 うまくいけば売値から端数部分を落としてもらうくらいは可能でしょう。売主も強気で値引きするつもりがないという場合であればそのまま売値で購入することになります。 売主との調整がついたところで融資特約付きの売買契約を締結し、手付金を支払います。

賃貸併用住宅の計画

賃貸併用住宅の計画の立て方について纏めています。

予算

まずは現在の資産を確認します。物件購入時は頭金として、10%は現金で用意するのが望ましいです。そして、残りの90%を住宅ローンで借入ます。頭金0で借りられるケースもあるので、絶対ではありませんが、頭金はあった方がよいです。融資の審査もとおりやすくなります。

住宅ローンがいくら借りられるかは、他の借入額と年収によって決まります。銀行は、年収に対して、返済負担率を設け、住宅ローンの融資限度額を決めています。

※返済負担率とは、年収に占める年間の住宅ローン返済額の割合のことです。
※返済負担率の算出に使用する返済額は、金利4%を想定して算出されることが多いです。

返済負担率は、銀行によって様々ですが、年収によって概ね25%~40%程度の間で設定されているようです。仮にこの返済負担率を30%とした場合、他の借入はなく、年収800万円で、35年返済とすると、借入可能額は約4520万円となります。

計算方法は、以下のようになります。

800万円 × 30% ÷ 12ヶ月 ÷ 4,428円 × 100万円 = 4,520万円

  • (税込み年収 × 返済負担率 - 他のローンの年間返済額)÷ 12ヶ月 ÷ 年利4%で35年返済で100万円を借りた場合の毎月の返済額 × 100万円

同じ年収800万円でも、返済負担率が40%だと約6000万円借入できます。

以上で、大まかな予算がお分かりいただけたと思います。上記のとおり、返済負担率の設定によって借入可能額は大きく異なりますので、複数の金融機関に相談することをおススメします。

立地

続いて立地ですが、賃貸併用住宅はその名のとおり、賃貸物件でもあり、自宅でもあるため、立地条件はよく検討する必要があります。最も重要と言っても過言ではないでしょう。

賃貸として需要がなければ、家賃収入を得ることができませんので、賃貸として需要のある地域、かつ、予算的にも納まりそうな地域に絞ります。 中央線沿いや東横線沿いは都心ほど土地値が高くなく、賃貸需要も期待できるおすすめエリアです。あとは、自分がどこに住みたいか、どこなら通勤時間や住環境として問題ないかから候補を絞ります。

ただし、いいエリアであっても駅からの距離や周辺環境などの立地条件によっては借り手がつかない物件になってしまう可能性もありますので、貸しにくい物件の立地条件に当てはまらないように注意することもお忘れなく。

住宅規模

住宅ローンで賃貸併用住宅を建てる場合、自宅部分が全体の1/2以上でなければ住宅ローンを適用できない銀行がほとんどです。1/3以上が自宅部分であれば住宅ローンを適用できる銀行もあります。従って、住宅規模は、自宅として必要な広さの2倍以下で考えた方が、借入候補となる銀行は多くなります。

自宅としてどれだけの広さや間取りが必要かは、家族構成などによって決まってくるかと思います。その必要な広さを2倍にして、だいたいの規模が決められたと思います。

注文住宅の平均的な坪単価は、木造の場合で、80万~100万程度とお考えください。設備のグレードなどにより異なります。

収支

収支は、土地に大きく左右されるので、ここでは賃貸収入で住宅ローン返済の一部がまかなえればいいのか、全てがまかなえなければならないのかを考えておきます。 住宅ローン返済の一部がまかなえればよいといいうことであれば、賃貸部分の割合を下げることで、住宅規模を抑えて、初期費用を安くすることもできます。